歳時記

蒸気でノドのケア

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昨夜、通夜で読経していて、声が少しかすれてきた感じがした。
花粉症はひどくはないが、夜、寝ながら口呼吸になっているのかもしれない。
法務が続いていることもあるだろう。

で、昨夜は帰宅するなり蒸気の吸引をした。

ノドのケアに蒸気の吸引があることを私が知ったのは、50年ほど前、週刊誌記者時代のことだ。

人気歌手だった森進一の人物記事を書くため、公演先の新潟県柏崎市に出かけ、彼の宿泊先である旅館で電気コタツにあたりながら話を聞いたのだが、このとき彼は蒸気でノドをケアしながらあれこれ語ってくれた。

森進一はハスキーと言うのか、しゃがれ声が特徴なので、

(へぇ、しゃがれ声でもケアするんだ)

失礼ながら感心をしたことを鮮明に覚えている。

それで、いまだに蒸気でノドケアをすると、必ず森進一のことときのことを思い出すのだ。

思い出というのは、何かに仮託して記憶に定着するということがよくわかる。
懐かしい歌というのが、たぶんその最たるものだろう。

今日がご葬儀なので、昨夜は蒸気ケアしたのだが、飽きっぽい私はじっとしていられない。

「あら、もうやめたの。準備させておいて、いつもそうなんだから」

愚妻がブツクサ言うが、「やらないよりは、やったほうがいい」というのが、私の価値観。

「いいか、何事もベストを求めず、ベターをもてよしとすべしなのだ」

愚妻に説教すると、
「じゃ、自分で準備すればいいでしょ!」

プリプリ怒るので、
「おい、わしが自分で準備してまでノドケアをすると思うおるのか?」
「なに居直っているのよ」

通夜で疲れて帰っているというのに、くだらぬ論戦が続くのだ。

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