歳時記

送迎7回目

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放射線治療のため愚妻を送迎している。
今日で7回目。
あと23回だ。

送迎は治療時間を入れて1時間ほど。
短いと言えばそのとおりだが、毎日決まった時間に1時間を取られるというのは精神的に負担である。

かつて週刊誌であれこれ連載を持っていたが、それと同じ気分で、「決まり事」の継続は時に溜息が出るものだ。

私は勤めた経験がないのでわからないが、サラリーマン氏の話を聞くと、しんどいのは仕事そのものよりも、
「今日も出社か」
という思いにあると言っていた。

ところが一方で、精神を落ち着かせるために、人間は「ルーティン」ということをやる。
これは「決まり事」の繰り返しである。

こう考えると、「決まり事」に対する考え方はややこしくなる。

繰り返すことでしんどくにもなれば、精神を安定もさせる。
その違いはどこから生じるのか。

(くだらないことを考える時間があれば仕事をしなくては)
とあせつりつつも、自宅を出る時間が気になって集中力が散漫になり、くだらない考えが次から次へとよぎっていく。

「ちょこっと送り迎えするだけでしょう」
愚妻はこともなげにいうが、すべからく人生は、この「ちょこっと」が大変なのだ。

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