歳時記

ヒグラシの鳴き声

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一昨日、房総・御宿の古民家レストランへ出かけた。
バタバタと忙しくはあっても、月1回は顔を出す。

クルマで片道2時間。
途中、地野菜の販売センターに立ち寄るのも楽しみの一つだが、往復するだけで5時間近くかかる。
それでも何とか月1ペースを守っているのは、人生のメリハリを心掛けているからである。

セミの鳴き声がかまびすしいが、夕刻とあってヒグラシが鳴いている。
ヒグラシの鳴き声は「もの悲しい」と表現される。
言われてみれば、たしかに「もの悲しい」。

「おい、ヒグラシがなぜ、もの悲しく聞こえるか知っておるか?」
熱燗をやっている愚妻に問う。

「日暮れに鳴くからじゃないの?」
単純に過ぎる答えが返ってくる。

「そうではない。ヒグラシの名は『日暮れ』からきているのではなく、『その日暮らし』からきておるのだ。『その日暮らし』だから当然、鳴き声はもの悲しくなるのだ」
「ホントなの?」
「ウソだ」

そんなくだらないことをしゃべりながら、セミの鳴き声に耳を傾ける。
至福のひと時。
往復5時間の価値はあるのだ。

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