歳時記

温厚になる

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 昨日は、私の道場の稽古発表会(支部交流演武会)だった。
 各支部とも、趣向を凝らした演武を披露してくれたが、運営には私はいっさいノータッチ。
 若い諸君の時代である。
 そう言えば、演武会の練習も、子供たちにおまかせである。
「親はなくても子は育つ」というが、館長の私がいなくても、子供たちでちゃんとやってくれる。
 なまじ口を挟むと、
「館長は黙って見ててよ」
 と口をとがらせる。
 試合に勝たせようと思えば、もちろん手取り足取り指導しなければいけない。
 それも大事だが、道場は部活動ではない。
 空手の稽古を通じて、何か一つでも、その後の人生に資するものをつかんでくれればいいと思っている。
 私がバンダナを巻いていると、
「あっ、タコ焼き屋のオジさん!」
 と、子供が笑う。
 笑われていい。
「恐い指導者」にならないようにと、これは私が自戒していることだ。
 そんな私を見て、いつも愚妻がイヤ味を言う。
「子供たちは、あなたが短気でワガママなことを知らないのよ」
 石だって風雪にさらされれば丸くなる。
 私だって、60半ばを過ぎれば温厚にもなる。
 そう言うと、
「でも、雀百まで何とかって言うから」
 愚妻はどこまでもイヤ味なのだ。

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