歳時記

人工知能と浄土真宗

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 今夜、NHKテレビでAI(人口知能)の番組をやっていた。
「神か悪魔か」
 というわけだ。
 将棋もプロ棋士は現時点では、AIに太刀打ちできない。
 クルマも自動運転になれば、便利だがドライバーの需要は当然ながら減る。
 ドライバーだけでなく、多くの職業で人間が不要になるだろう。
「じゃ、少子化でちょうどいいじゃないの」
 と、一緒にテレビを観ていた愚妻が、ノー天気に鋭いことを言う。
 私は相手にせず、幕末の「黒船来航」のことを思い浮かべていた。
 国民にとっては驚天動地の驚きだったろう。
 黒船とAI。
 いつの時代も、
「これから日本はどうなるのか」
「世界はどうなるのか」
 という論議が絶え間なく続いている。
 だが、黒船が来ようが、月に人類が降り立とうが、コンピュータ社会になろうが、人間の喜怒哀楽は昔と何ら変わらない。
 すべては煩悩ゆえだ。
 ひょっとして煩悩は、不変であるがゆえに尊いのではないだろうか。
 どんな世の中になろうとも、私たちに煩悩が具(そな)わっている限り、人間でいられるのだ。
 かつて私は『煩悩バンザイ!』という本を書いたが、AI到来の今、あらためて「煩悩バンザイ!」と言いたい。
 煩悩を滅して悟りに至ろうなど、とんでもないことである。
 AIの対極にあって、私たちは煩悩にまみれ、人間らしく生き、そしてこの世に縁がつきれば、阿弥陀如来のはたらきによって極楽浄土に生まれ変わらせていただく。
 私が僧籍を持つ浄土真宗では、このように説く。
 まさにAIの時代にあって、浄土真宗は人間讃歌になるものと、たまには私も坊主らしいことを考えるのだ。

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