歳時記

メディアの態度

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 断食が開けて、ひと息ついている。
 うまいものが食いたくて、いま電話で愚妻に命じ、刺身を買いに走らせたところである。
 愚妻も断食しているので、
「はい!」
 実に明るい声であった。
 明るい声と言えば、先ほどテレビ局から電話があり、若い女性が、
「出演を含め、いろいろ話を聞きたいので会えないか」
 という打診があった。
 ナントカというバラエティ番組だったが、私が思わず微笑んだのは、
「向谷先生の本を読んだことはないんですが、ぜひお話をおうかがいしたくて」
 何とも正直なことを言うのである。
 いまそれどころではないし、バラエティ番組にマヌケ顔を見せるわけにもいかず、丁重にお断りした。
 これまでも、いろんな局から声をかけていただいたが、テレビ局(といっても、製作会社のスタッフだろうが)、みなさん、概して早口で、いっきに要件を告げる。
 これはたぶん、キメ打ちではなく、〝仕込み〟のため片っ端から電話するからだろう。
 ま、電話営業のようなものですな。
 なかには、
「出演を承諾していただいても、構成によってキャンセルになることもあります」
 と、正直な方もいたが、キャンセルになるかもしれないと言われて、時間を裂くほどヒマではないのだ。
 その点、活字メディアは丁重だ。
 昨日は『東京スポーツ』から取材依頼があった。
 拙著を読んだと前置きし、取材内容を説明した上で、さらに質問項目をメールで送ったうえで、取材に来てくれるという
 こういう対応をされると、いい記事になるよう協力しなければと思う。
 人間関係とは、そうしたものだろう。
 さて、原稿の区切りがいいところで、気分転換に、愚にもつかないブログを書きつつ、愚妻がどんな刺身を買ってくるのか、いささか気になっているところである。
  

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