歳時記

憎まれ口は健在なのだ

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 新年を迎えて以後、天気のいい日が続く。
 露天風呂から見上げる九十九里の青い冬空は、何とも気持ちがいい。
 仏教的に言えば、
「天気にいい日も悪い日もなく、日々是好日」
 ということになるが、やっぱり晴天は気持ちがいい。
 氷雨には顔をしかめ、晴天には笑みを浮かべる。
 これでいいじゃないか。
 人生、一喜一憂しながら、迷いの世界で苦しむがよい。
 露天風呂の帰途、愚妻にそのことを告げると、
「悟ったようなことを言うのね」
 と嫌味を言う。
「悟ったような、ではない。悟ったのだ」
「何を悟ったのよ」
「悟れないということを悟ったのだ」
「今年もバカなことを言い続けるのね」
 悟りと無縁の愚妻が一蹴する。
 三日ぶりに顔を合わせたというのに、憎まれ口は今年も健在なのだ。

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