歳時記

マッサージ台で「ゴルフ問題」を考える

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 マッサージに行って、いま帰ってきた。
 根を詰めて書くと、首から肩まで凝るからで、週に一度は行くようにしている。
 マッサージ中は、露天風呂やサウナと同じく、いろんな企画やアイデアが浮かんでくるので楽しみにしているのだが、時として、どうでもいいような考えにとらわれたりする。
 今日もそうだった。
 民主党の石井一選対委員長のゴルフ問題のことが頭をよぎったのである。
 石井氏はこの連休中、フィリピン友好議員連盟としてフィリピンを訪問し、上院議長らと会談したほか、地元の経済人らとゴルフをしたそうだが、大震災対策本部副本部長がこの非常時に、
「ゴルフとは何事か」
 というわけで、副本部長を辞任した。
 私の脳裏に浮かんだのは、
「これがゴルフでなく、空手や剣道だったらどうか」
 という思いだった。
 おそらく、批難はされなかったろう。
 武道には修行的ニュアンスがあり、ゴルフはスポーツでありながら「楽しむ」「興じる」という娯楽的ニュアンスがあるからだ。
 では、サッカーや野球だったらどうか。
 どちらも、克己心を要求される厳しいスポーツだが、アマチュアの場合は、やはり「楽しむ」というニュアンスがあり、
「石井議員、サッカーに興じる」
 と書かれるだろう。
 このあたりに武道と西洋スポーツの違いがあるように思う。
 先の日本柔道選手権で、 鈴木桂治選手が4年ぶり4度目の優勝をし、感極まったかのようにガッツポーズをした。
 この4年間、雌伏の時代であったことを思えば、彼の嬉しさは理解できる。
 嬉しさは素直にあらわすべきだという意見もある。
 だが、私はガッツポーズが好きではない。
 なぜなら、敗者を思いやるという「惻隠の情」をもって武道とするからだ。
 そういう意味で、
(柔道は武道ではなく、国際スポーツなんだな)
 と改めて思った。
 と同時に、うちの道場生たちは、
(試合で勝ってガッツポーズを取るような子供たちにしたくない)
 ということを考えつつ、マッサージの一時間が過ぎるのだ。

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