歳時記

「責務」の正体

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 茨城県土浦市役所が3職員を処分した。
 報道によれば、福島第1原発事故の直後に有給休暇を取って県外へ〝避難〟し、「これでは市民の理解得られない」ということが理由だという。
 これには、いろいろ考えされる。
「責務放棄」がけしからんというのであれば、自衛隊はどうする。
 国民の生命財産を守るのが「責務」である以上、放射能の危険をおかしてでも福島第1原発の建屋内に飛び込むべきだという理屈になる。
 そうはならないのは、前提として「自衛隊員の誰も行っていない」ということがあるからではないか。
 つまり、防衛省は、
「誰も行かない危険な現場に、隊員を行かすわけにはいかない」
 というわけで、これは非難されず、
「そうだよなァ」
 と、メディアも世間も納得する。
 土浦市役所は逆だ。
「職員のみんなが残っている」
 という前提がある。
 したがって、
「みんなが残っているのに、数人だけ〝避難〟するのは何事か」
 というわけで、
「それはないぜ」
 と、メディアも世間も白い目で見るというわけである。
 こう考えていくと、「職務」は、
「みんながどうであるか」
 ということが大きく影響することがわかってくる。
 戦場で、全員退却であれば非難されず、一人だけ退却すれば、それは「敵前逃亡」となる。
「責務」に「絶対値」はなのではないか、とそんなことを考えるのである。

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