本日から、サンパウロ新聞で、私の連載エッセイが週一のペースで始まった。
同紙は、ブラジルのサンパウロ市で発行されている日本語の日刊新聞だ。
1946年の発刊で、1977年には、ブラジルにおける日系報道機関としての活動実績が評価され、「第25回菊池寛賞」を受賞するなど、日系社会にとって不可欠の新聞である。
同紙の編集局長と私は旧知で、この3月、彼が休暇で帰国たおり、雑談していて連載エッセイの話になったというわけだ。
テーマは、ブラジルに移住した日系人の励みになるようなものを書いて欲しいとのことで、エッセイのタイトルは『新人生訓』になった。
日系三世ともなると、日本語が通じないため孫との会話がうまくいかず、寂しい思いをしている移民世代もいるそうで、
(私の人生は、これでよかったのだろうか)
と懐疑を抱く人もいるのだという。
そんな人を含めて、読者が充実した人生を歩むヒントにでもなれば、ということで連載を始めたわけである。
「新人生訓」など、大仰なタイトルだが、私が月刊のウェブマガジン『高齢社会ジャーナル』で連載しているのは、タイトルが「人生の要諦」である。
人生訓だの要諦だの、えらそうなことを言える立場ではないが、自問自答しながら何とか書き進めている。
文章を書くというのは、人に向かってメッセージを発しているように見えて、実は自分に語りかけているのだ。
となれば、自分ではまもなく人生をリタイアするつもりでいるが、人生訓や要諦に興味があるということは、まだまだリタイアしないということなのだろうか。
そんなことを考えながら、「生きる」ということについて、あれこれ思いをめぐらせているのである。
サンパウロ新聞にエッセイの連載
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