歳時記

新学期の空手道場

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 新学期が始まった。
 この時期の子供たちを見るのを、私は楽しみにしている。
 新2年生は、道場で一つ上のクラスに上がるため、先日まで幼児・1年生のクラスで稽古していた子供たちが、上級生に混じって緊張した面持ちで頑張っている。
 幼児・1年生のクラスにいるときは気がつかないもので、ずいぶん成長していることに驚かされる。
 たとえて言うなら、水槽で飼っていた小亀を、おっかなびっくりで海に放ってみたら、いっちょまえに泳ぎ始めたような気分である。
 幼児だった子は新1年生となり、幼児・1年生のクラスを引っ張る立場だ。
「大丈夫か!」
 と、きくと、
「オッス!」
 と、元気だが、舌足らずな声で応える。
 どこまでの自覚があるのかわからないが、この〝小亀たち〟も、1年がたてば海で泳げるまでに成長する。
 成果をあせらず、じっくり見守ってやれるかどうか。
 さりとて、途中でやめさせたのでは何にもならない。
 継続させ、継続は力であることを教えるのが、私の役目だと気を引き締めるのである。
 勉強も、他の習い事も同じで継続が大事だ。
 たとえ成績という形で成果が出なくても、継続したという自信は、必ず人生に大きく役立つだろう。
〝小亀たち〟を厭きさせず、挫折させず、いかに継続させるか。
 私の力量だけでなく、親御さんの力量もまた問われるのだ。

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