朝、無性に「すき焼き」が食べたくなった。
理由はわからない。
気持ちに逆らうのは精神衛生上よろしくなかろう。
「おい、しばらくすき焼きを食べていないな」
愚妻に投げかけるが、
「そうね。それがどうかしたの?」
鈍い女だ。
私はすき焼きが食べたいと言外に命じているにもかかわらず、トボけた返答をする。
「わからんのか。今日は、すき焼き食べるから用意せよと言っておるのだ」
「あら、ベジタリアンになったんじゃないの?」
イヤなことを言うのだ。
「バカ者。真のベジタリアンは、たまに肉を食することによって、ベジダリアンとしての自覚を再認識するものなのだ」
そう言ってさとすが、
「いちいちあなたにつき合ってられないわ」
スルーしようとするので、
「食べるぞ、何としても食べるぞ!」
強硬に主張。
私が運転して今朝、スーパーの開店と同時に買い物に出かけた次第。
だが、生来の天の邪鬼である私は、「すき焼き」が決定した段階で、にわかに興味も食欲もなくなっている。
「ほら、このお肉、高かったけどおいそうでしょう?」
愚妻が得々と説明するが、
「そうだな」
ナマ返事をすると、
「ちょっと、どうしてソッポ向いているのよ。あなたが食べたいと言ったんでしょ!」
いやはや愚妻の怒るまいことか。
これが我が家のGWなのである。