歳時記

痛風の発作で悟る「人生の不条理」

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 胃痛がようやくおさまってきたと思ったら、今度は痛風の発作である。
 未明――朝け方の4時ころから、右足の親指の付け根が痛くなった。
 何度か経験しているので、すぐに痛風の発作とわかる。以前、医者で処方してもらったクスリが残っているので、すぐにそれを飲む。
「痛タタタタ……」
 と弱音を吐きつつ、日中はベッドで安静にしていたので少し良くなったのだが、夕刻、調子に乗って道場に出たのがまずかった。
 出れば、足を引きずりつつも、ついつい指導してしまう。おかげで親指の付け根は大きく腫れてあがってしまった。今日の昼、銀座で打ち合わせがあり、果たしてクルマを運転していけるのかどうか、いまアセっているところだ。
 それにしても、である。
 酒をやめ、畑をやっていることから肉食を極力避け、野菜中心の食事にしているというのに、痛風とは何事であるか。
 それに腹が立ってきた。
 昨夜(正確には一昨夜)、某出版社の編集長氏と、来年執筆の打ち合わせを兼ねて食事をしたのだが、酒豪の編集長氏は酒をグイグイ。バイタリティーの塊のような男で、いたって健康。
 ところが私は、お茶をすすりながら節制しているにもかかわらず、帰宅して痛風の発作である。
 理不尽ではないか。
 あまりに理不尽である。
「痛タタタ……」と唸りつつ、私は痛風を通して〝人生の不条理〟というものを、しかと悟ったのである。

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