歳時記

連載は楽ではない

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 いま私は、「週刊アサヒ芸能」誌で、『英雄の「ケンカ兵法」』を連載している。
 毎回、いろんな分野の有名人を登場させ、彼らの人生をトレースしながら私の思うところを書くものだ。
 わずか1ページのエッセイで、連載の苦労を知らない人は、
「短いから楽チン」
 と思うだろうが、これはとんだ勘違い。
 短いから楽チンであると言うなら、100メートル競争はマラソンより楽ということになる。
 マラソンも、100メートル走も、それぞれ走り方というもがあって、どちらも楽チンではないのだ。
 そんなわけで毎週月曜日、つまり今日が原稿を編集部に送る日になっている。
 中1日置いて、水曜日にゲラがpdfで送られてきて、それを校正して送り返す。
 それから2日ほどすれば、
「さて、次週は誰を書こうか」
 と頭をめぐらせ、日曜日に執筆する。
 連載は週1であっても、意外と手間ヒマがかかるのだ。
「ただ見れば 何の苦もなき 水鳥の 足にひまなき わが思いかな」
 はた目にどう見えようとも、楽チンに生きている人間など1人もいないのだ。

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