自宅の壁紙の一部が剥がれているのに気がついた。
で、昨日、ホームセンターへ補修剤を買いに行った。
広くて売り場がわからないので店員クンを呼び止めたまではいいのだが、補修剤のことを何と呼ぶのかわからない。
「お前、説明しろ」
愚妻にバトンタッチを命じると、
「ちょっと、自分で言いなさいよ」
「バカ者。わしにはわからん」
「わからないじゃないでしょ。自分が買いに行こうと言ったんじゃないの」
若い店員クンがあせって、
「まあまあ、わかるように説明していただければ」
そんなわけで壁紙の剥がれを説明すると、
「壁用のコーキング剤ですね」
ニッコリ笑顔で案内してくれた。
「養生テープは大丈夫ですか?」
店員クンが言うので、
「もらおうか」
私が養生テープを手に取ると、
「ちょっと、それじゃテーブの幅が狭いでしょ」
「これでいいのだ」
「どうしてよ」
店員クンがあせって、
「まあまあ、これでどうでしょうか?」
中くらいの幅のテープを勧めてくれ、ことなきを得た。
買い物が終わったところで、ホームセンター内のイタメシ屋に入ると、いつのまにかタブレットでの注文に変わっていた。
「おい、タブレットの注文はお前の役目だろう」
「どうしてよ」
「このあいだトンカツ屋で、お前がタブレットで注文したではないか」
「冗談じゃないわよ。たまにはあなたがやりなさいよ」
水を運んできた若いウェイトレスがあせって、
「あ、あのう、何か不明点がございましたらお声をかけてください」
そう言い置いて、そそくさと去って行った。
かくのごとく、我が家は買い物一つ、食事一つ注文するのにもひと苦労なのだ。
そう言えば私が「和顔愛語」と書いて、我が家の壁に貼り付けたのはいつのことだったか。
人間すべからく「和顔愛語」で接するべきだろう。
愚妻にさとすと、
「自分に言い聞かせなさいよ!」
「鬼顔憎語」で言うのである。