歳時記

「これで最後」という〝人生の落とし穴〟

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 マイケル・ジャクソンが亡くなり、連日、メディアで取り上げられている。
 今朝、知人から所用で電話がきたが、マイケル関連でスポーツ紙や週刊誌から取材依頼が来ていると溜め息をついていた。
 私はマイケルの歌を聴いたこともなく、関心もなかったが、
《来月13日から、ロンドンで始まる生涯最後のツアー50公演を予定していた》
 という記事を読んで、
(そんなもんかな)
 という気がした。
 つまり「生涯最後」とか、「これっきり」とか「これで引退」というときに限って、不思議とアクシデントに見舞われる、ということである。
 もちろん、それは私の感覚でしかないのだが、「これで最後」という意識が、身の処し方や精神に大きく作用するような気がする。
 うろおぼえで定かではないが、禅を海外に広めた鈴木大拙は、
「人間は、最後の一段で石段を踏み外す」
 といったようなことを書いていたように記憶する。
 どうやら〝人生の落とし穴〟は、「あと1回」「あと1本」「あと1歩」「これが終われば」という《ゴールの設定》にあるのかもしれない。
 
 

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