歳時記

明日は明日の風が吹く

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 鯨肉(クジラの肉)の在庫がありすぎ、学校給食やファミレスに登場するのだそうだ。
 冗談じゃないよ。
「捕鯨禁止でクジラが食べられなくぞ」
 と〝危機感〟を煽ってきたのは誰だ。
 たしか二十年以上も前からそう言われてきた。
 鯨肉が好きな私は、こりゃ大変だとばかり、クジラと見れば食してきたし、いまも食べている。
 それがどうだ。
 鯨肉が余って学校給食に売り込むとは、詐欺ではないか。
 こういう現状を見ると、年金がパンクするとか、日本が沈没するとか、福祉が立ちゆかなくなるとか、「危機の煽(あお)り」はホントなのかと眉にツバをつけたくなってくる。
 つまり「危機の煽り」は、「現在の視点」で「未来を見る」ということに原因がある。
 だが、明日は明日の風が吹くこともまた、事実なのだ。
 未来への対処は必要だが、神経質にならず、今日を存分に楽しむべきだろう。
 昨夜、雅楽の稽古から帰宅し、晩飯を食べながら愚妻にそんな話をすると、
「それ以上、楽しまれたら冗談じゃないわ」
 と、真顔で怒っていた。
 遊び心と無縁の女なのだ。
 

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