歳時記

ノレンに腕押し

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昨日はポカポカ陽気に誘われて、久しぶりのウォーキングである。
このところ忙しくて、それどころではなかった。

「おい、ウェアを用意しろ」
愚妻に命じると、
「それでいいじゃないの」

私はスエットのダブダブのズボンに、七分のボタン付Tシャツを着ている。

「こんな格好で歩いていると徘徊と間違われるかもしれん」
「いいじゃないの、間違われても」
「バカ者、警察を呼ばれると面倒なことになる」
「でしょうね。あなたと話せば、おかしい人だと思うでしょう」

くだらない言い合いをし、結局、ジャージの上下で出かけた。

早足で歩き、汗をかき、帰宅して風呂に入ろうとしたら、お湯が張ってない。

「おい、どうなっておる!」
「どうもなっていないわよ」
愚妻がテレビを観ながらノンキなことを言う。

文句を言おうかと思ったがやめた。
このところ私には反発せず、「ノレンに腕押し」で対峙してくるのだ。
達観したのだろうか。

そう、人生はすべからく「ノレンに腕押し」でいいのだ。

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