歳時記

大腸の内視鏡検査

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昨日、大腸の内視鏡検査を受けてきた。
秋口(だったと思うが)、市が実施する大腸ガン検診で引っかかったからだ。

ガンになることはさして気にはならないのだが、そうと知らぬまま末期を迎えたのでは終活も何もあったものではない。
そう思って市の検診を受けたところ、要精密検査のハガキがきた次第。

気楽に内視鏡検査を申しこんだのだが、ウェブで調べてみると、肛門から内視鏡を差し入れて大腸を診るとか。
大腸の角を内視鏡が曲がるとき痛みがあるとも。

で、気が進まぬまま迎えた昨朝。
私は何もわからず、説明書を熟読した愚妻が下剤を水に溶かしてスタンバイ。
指示を出す。

「検査は午後1時だから、この2リットルを8時から10時まで2時間かけて飲むのよ。このカップ一杯が二百ミリだから、1時間に5杯のペースよ。わかった?」
「面倒だから一気に飲めばいいではないか」
「ダメよ!」

そんなわけでピーピーと何度もトイレに通い、病院へ行った次第。

検査は若い女医さんで、若い看護師さんたちがついてくれる。

検査が始まると、案の定、所々で、
「痛テテテテ」
声をあげると、
「ガスでお腹が張りますから、オナラのように出すと少し楽になります」

女医さんの言葉に、「ウッ、ウッ」と腹に力を入れると、
「無理に出さなくていいです」
注意された。

そのうち腹が張り、ブブブッとオナラが出た。

「そうです、そうやって出せばいいんです」
女医さんが明るい声を出したので、
「オナラは出したわけではなく、勝手に出たのです」

言葉は正確でなければならないと思って訂正すると、
「ああ、そうですか」
そっけない返事であった。

しばらくして身体が馴れてきたので、こういう状況で仮眠できるものかどうか試してみたらできた。

ウトウトしていると、
「向谷さん! 向谷さん!」
そばについている看護師さんの大きな声。

ハッと目覚め、
「眠っていた」
と言うと、
「ああ、よかった!」

安堵の声。
どうやら私が意識でも失っているのではないかと心配したようだ。
世話の焼ける年寄りだと思ったことだろう。

結局、ポリープが大小6つ見つかり、そのうち4つを来春、切除することになったのだが、
「ちょっと、どうして6つもあるのよ」
愚妻が、くだらぬことをきく。

「そんなこと、わしが知るか」
「人とは変わっているから」
帰宅するまでブツブツ言いながら、内視鏡検査の一日は終わった。

明日から法務が続く。
やらねばならぬことが山積していて、その時間がない。
気が気ではない。
ノンキに内視鏡検査のことなど振り返っているヒマはないのだが、忙しいときに限って余計な時間をつかうのである。

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