歳時記

メガネの処方箋

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一日が瞬時に過ぎていく。
衆院選が終わり、
「そういえば、ガースー総理なんてのがいたな」
と、もう何年もたったような気がする。

大物議員が何人も落選し、世のなかはドラスティックに変わりつつある。

そんなことを考えているうちに、
(よし、メガネを買おう!)
なぜか唐突にそんな思いがよぎる。

よくはわからないが、気分を一新したくなったのだろう。

で、昨日。
メガネの処方箋を書いてもらうため、眼科に行った。

視力検査で、例の『C』マーク。
どちらが切れているかを「右」「上」「左」と答えるのだが、カッコつけの私は「わからない」が言えない。

わからなくても「右!」「上!」と当てずっぽで答えてしまうのだ。
「あってますよ!」
と、最初こそニコやかに言ってくれていた検査女史も、そのうち無言になっていく。
適当に答えていることがわかったのだろう。

あれこれ検査が終わると、遠近のレンズをセットしたメガネをかけ、待合室のソファに腰掛けて雑誌やスマホの画面を見てテストする。

「立って歩いてみてください」
検査女史が言う。
「いいよ、歩かなくても、これでOK」
「そんなこと言わないで」

しょうがないから立ちあがって歩くと、
「あっ!」
床がゆがんでいる感じ。

そのことを伝えると、クリアに見えても遠近のバランスが合っていないのだそうだ。

「歩いてみるもんだねぇ」
感心すると、このときはニコッと笑ってくれた。

そんなこんなで1時間以上をかけて処方箋を書いてもらった。

さて、どんなメガネを買うか。

金ブチのメガネも持っているが、ごく薄い色が入っていて、
「ちょっと、そんなメガネ、お坊さんらしくないわよ」
このテのメガネはダメだと愚妻が言う。

「葬儀や法事にかけていけるように、安価で、質素で、おとなしいものにしなさいな」

一理あるような、私のメガネにお金をかけないための予防線のようなことを言う。
果たして気分一新になるのか、いま何となく懐疑的な気分になっているのだ。

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