歳時記

愚妻の半月板

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愚妻の半月板損傷は、手術するなら人口関節を入れなければならないそうだ。
フツーの人間なら判断に迷うところだろうが、
「私はしませんから」

実に明快で、
「あっ、そ」
私も明快に相づちを打つ。

一定の年齢になったら、メスを入れないほうがいいのだ。
「痛い思いをして、苦労してリハビリをして、翌年、ポックリ逝ったら大損だもんな」
「私は死にません!」
元気はいいのだ。

それはいいとしても、養生のため、徹底して日帰り温泉に行くと言い出したので、これには困った。
土、日は行かないことにしているのだが、一昨日の土曜日も「行く」と言い出したので、私が運転して送り届け、昼に迎えに行った。

毎週水曜日は休みにしようと決めたはずなのに、
「休んでなんかいられないわ」
と言い出した。

一方、私の「肩甲骨+肩」痛は右に行ったり左に行ったり。
鎮痛剤アレルギーで薬が使用できないため難儀しているが、先日、医者が、
「系統の違う鎮痛薬がある」
とかで処方してくれた。

効き目はイマイチだが、多少は楽になる。
ところが、やたらと眠気が襲ってくるし、長湯すると立ちくらみがするのだ。
薬のせいかどうかわからないが、そんなわけで風呂は気をつけている。

それにもかかわらず、愚妻は連日、日帰り温泉に行くと張り切っている。
「ツボも膝にいいらしわね」
言外に私に指圧を研究しろと言う。

仕事も用事も山積する私は頭を抱えるばかりなのである。

さて、明朝の日帰り温泉はどうするべきか。
送迎だけにするか、入浴するか。
いま書いている原稿の脱稿予定まであと3日。
思いは千々に乱れ、壁の時計とカレンダーをみやりながら迷っているのだ。

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