歳時記

「一笑忘却」

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 昨日は、大学病院耳鼻科の診察予約をしていたが、コロリと忘れていた。
 今朝になって気がつき、あわてて電話を入れて再予約をした。
「病院に行く日を忘れるなんて、どうかしているんじゃない?」
 と愚妻はあきれているが、忙しいときは手帳を開くのが面倒で、つい記憶に頼ってしまう。
 これではいかんと、反省しきり。
 だが、なぜ診察予約を忘れたのか思い返すと、昨朝、愚妻が放った一言に原因があることがわかった。
 私が仏間でお茶を飲んでいると、愚妻が大笑いしながら私の携帯電話を手に持って入って来て、
「ブーブー鳴っているから、てっきりあなたが後ろでオナラをしたのかと思ったのよ。振り返ったら、携帯のマナーモードだったわ」
 目に涙を溜めて笑っている。
 バカな女だ。
「いくらなんでも、何発もブーブーやるか」
「そうなのよ。連続してブーブーだから、今日はすごいなって」
 愚妻のバカさ加減に、私もつい笑ってしまった。
 アッハッハと笑ったお陰で、記憶が飛んだに違いない。
「笑う門に福来たる」
 と、ことわざに言う。
 笑い飛ばせば、イヤなこともきれいさっぱり忘れてしまうという意味に私は解釈しているが、忘れるのはイヤなことだけではないということか。
「一笑忘却」
 という言葉が脳裏をよぎる。
 ご用心、ご用心。

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