「甘えぬうちが花」
という言葉がある。
人の好意に対しては、その好意に感謝しつつ、謝辞するのが、人間関係を末永く良好に保つ秘訣という意味だ。
だが、そうとばかり言えないのではないか、ということを最近、道場の子供たちによって考えさせられた。
たとえば稽古中、他の子の演舞が延々と続くときは、
「足を崩していいよ」
と、私は言うのだが、入門したての小学4年生の女の子は、
「大丈夫です」
と言ってガマンしている。
こういう姿は、いじらしい。
同じ「大丈夫です」でも、5年生の男の子は、この言葉のあとに、
「僕、馴れているもん」
とつけ加えた。
これは、ちょっぴり自慢である。
だから、可愛さも半分となる。
ところが、
「足を崩していいよ」
と言うなり、
「よかった!」
と満面笑みで喜ぶ子供もいる。
こういう子に対しては、微笑ましく思うのである。
こんな経験から、好意は甘えぬうちが本当に花なのかどうか、疑問を持ちつつ、結論は、
「人の好意は、甘えすぎぬうちが花」
ということで、「ほどよい甘え」は、人間関係において大切なことだと思うのである。
好意は、適度に甘えるべし
投稿日: