歳時記

「箱根駅伝」を観ながら考える

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 昨日、今日と恒例の「箱根駅伝」である。
 結果は早稲田が総合優勝したが、苦しさに歯を食いしばり、根性で襷(たすき)を手渡していく各校の選手たちをテレビで観ていると、やはり胸がジーンとしてくる。
 それに引き替え、テレビゲームに浮かれ、女性アイドルタレントに黄色い声援を送る若者たちの、何と〝軽い〟ことか。
 僧侶の立場から言えば、
「生き方にいいも悪いもなく、人生に軽重はない」
 ということになるが、空手指導者の立場から言えば、歯を食いしばって走りつづける若者に拍手を送りたい。
 いま、バーチャル時代と言われる。
 みずから実体験することなく、格闘も、戦争も、恋愛もすべてゲーム世界で体験ができる。
 汗を流すこともなければ、筋肉が悲鳴をあげることも、苦しさに歯を食いしばることもない。
(それでいいのだろうか)
 箱根駅伝を観ながらそんなことを考えていると、87歳の爺さんが私の横で酎ハイを飲みながら、
「頑張れ、根性じゃ!」
 とテレビ画面に檄を飛ばしている。
 愚妻も、
「あっ、あのコ、遅れたわ。頑張ればいいのにねぇ」
 と、これまた酎ハイの氷をコロリンと鳴らしながら勝手なことを言っている。
 そうだ。
 ゲームに無縁の私たち大人も〝バーチャル世界〟を楽しんでいるのだ。
 野球しかり、プロレスしかり、オリンピックしかり、韓流ドラマしかり。
 自分は汗を流すことなく、茶の間でお手軽に〝バーチャル世界〟を堪能してきたし、いまもしている。
 ゲームに没頭する若者を軽佻浮薄と批判するのは、まさに天にツバする行為ではないか。
 そんな自分に気がついた箱根駅伝である。
 

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