歳時記

たまには良寛など

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『焚(た)くほどは 風が持てくる落葉かな』
 よく知られた良寛の言葉だ。
「なんとかなる」
 という楽観と同時に、
「結果に身をまかせる」
 という達観を、私はこの句に読み取る。
 落葉を求めて、
「風よ、吹け」
 と期待する人生は、風に恵まれなければ焦燥となる。
 焦燥に心をこがせば、嫉妬となり、不平不満が口をついて出る。
 期待するのではなく、
「風が勝手に吹き、その結果として落葉が溜まったならば、そのぶんだけをありがたく焚けばいい」
 と言い聞かせ、突き放して考える。
 欲を断とうとするのではなく、「言い聞かせる」というところがポイントで、世俗に生きる私たちにとって「無欲」とは、欲そのものは消滅できずとも、無欲でありたいと真摯に願う、まさにその人生観を言うのではないだろうか。
 ふとしたときに良寛を読みたくなる。

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