歳時記

秩父で空手合宿

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 土曜、日曜は、わが昇空館の大人合宿であった。
 場所は昨年に続き、秩父である。
 これまで河口湖、九十九里、軽井沢、沖縄など、いろんな場所で合宿してきたが、ここ秩父の旅館は別館を借り切りとあって、他の客に迷惑(?)をかけなくてすむ。
 しかも、温泉となれば、私としてはお気に入りである。
 宴会は9時の中ジメで、私は自室に帰って本を読み、早々に寝たが、会員の多くは深夜まで酒を酌み交わし、空手や古武道について論断風発であったとか。
 これも合宿の楽しみの一つである。
 二日目の早朝六時、私は露天風呂に入る。
 気分は上々である。
 何しろ、稽古するのも、指導するのも道場生諸君だから、私はヒマなのだ。
 だから合宿地は温泉を選ぶのである。
 鼻歌まじりで部屋にもどり、窓外の緑を堪能しようとカーテンを開けると、稽古衣を着た巨漢が、芝生の上で棒を振りまわしている。
 ブラジル人の青年で、体重百キロを超える。
 緑深い山あいの風情には不似合いな光景であったが、稽古熱心さに感心。
(温泉につかって鼻歌を歌っている場合ではない)
 と、私は彼の真摯な姿に猛省した次第。
 師は弟子に教え、弟子にまた教えられるということか。
 いろんな意味で、楽しい合宿であった。
 一夜明けて、今夜は編集者と打ち合わせ。
 現実の生活が始まる。

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