歳時記

嫌味と馬耳東風

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一昨日、茨城県にある某社の会長さんが講演の依頼に道場に見えた。

その前日、「一度、お邪魔したい」という〝アポ電〟を頂戴したのだが、
「私は坊主もやっていて、いつご葬儀が入るかわからないので、先のアポは難しいんですよ。今日の今日とか、今日の明日ということなら大丈夫ですが」

それで翌日、クルマで3時間かけてお見えになったという次第。

このことを愚妻に話すと、
「ちょっと、いくらなんでも先方に失礼じゃないの」
文句を言う。

「本当のことを言って何が悪い」
「悪いじゃなくて、失礼だと言っているのよ」
「わしの性格だ」

予期せぬ夫婦ゲンカになった。

で、昨夜。
コロナの番組を見ていた愚妻が、
「当分、日帰り温泉は行かないことにするわ」
突然、言い出した。

「なんでだ」
「感染が危ないじゃないの」
「昨日まで平気な顔して行っていたではないか」
「気が変わったのよ」

それで、今朝は行かなかった。

忙しいときにもつき合わせておいて、いきなり中止とは何事だ。
中止はいいとしても、いきなりはあるまい。

「わしに失礼ではないか」
叱責するが、
「いいのよ、もう決めたんだから」
馬耳東風なのである。

亭主には「失礼」を持ち出して批難するくせに、自分のことになると、いっさい意に介さない。

「おまえに取りつくコロナ菌はいまい」
思いきり皮肉を言ったが、
「そうね。免疫力は高い方だから」

切り返しのつもりか、本気でそう思って言っているのか。
しばし、考えるのである。

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