歳時記

〝駄犬〟が入院である

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 我が家の〝駄犬マック〟が、膵炎で、ペット病院へ入院したのだそうだ。
 先ほど、愚妻が仕事場へ電話してきた。
「なぜ、犬が膵炎になるんだ」
 私が叱責すると、
「そんなこと、私に言われても知らないわよ」
 と、体をかわす。
「飼い主が責任を放棄するのか」
「ちょっと、ごちゃごちゃ言ってないで、〝かわいそうに〟くらいは言えないの」
「バカ者、かわいそうなのは、この私ではないか。病気になるヒマすらないのだ。それに引き替え、駄犬の分際で入院とは・・・」
「うるさいわね」
 プツ、と携帯電話が切れた。
 そういえば、ここ2、3日、駄犬に元気がなかった。
「痛い」
 とも言えず、じっと横になっていた。
 それに引き替え、〝飼い主〟は、あっちが痛い、こっちが痛いと言って、そそくさと整形医院へ出かけていく。
 それを思うと、駄犬がかわいそうになってくる。
 たいしたことなければいいが。
 点滴をしているとのことだった。
  
 

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