歳時記

厚顔、見習うべし

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 小池百合子議員が、早々と町村派を離脱した。
「派閥政治の時代は終わった」
 というのが離脱の理由だが、私の目には〝泥船〟から飛び降りたように見えるが、どうだろうか。
 そう言えば、総選挙の責任者だった古賀誠も、選挙を目前に控えてさっさと辞任し、選挙区へ帰ってドブ板選挙で当選した。
 選挙の責任者ではなくなったのだから、自民党の大敗北について責任を問われることもない。
 小池も古賀も当面、音なしの構えでいて、そのうち場面を見てしゃしゃり出てくることだろう。
 お二人の身の処し方は、まさに「武道的」である。
「来る」とみれば「引き」、「引く」と見れば「押し」、ヤバイとなればパッと見切って安全な場所に身体を置き、戦況を見守る。
 そして、仲間の軍勢が優勢になるや、
「どけどけ!」
 と最前線に躍り出てくるというわけだ。
 小池のことを「渡り鳥」、古賀のことを「ひきょう者」と揶揄(やゆ)する声もあるが、とんでもない。
 彼らこそ、「生き方の達人」なのである。
 私も、そういう生き方をすれば、もっと違った人生になったろうに、変わり身がヘタなのだ。
「来る」と見れば「押し」、「引く」と見れば「引き」、ヤバイとなれば突撃する。
 これは〝玉砕の人生〟であり、私の生き方は、およそ〝武道的〟ではなかったことに改めて思いを馳せるのである。
 小池はエライ。
 古賀はエライ。
 まさに厚顔、見習うべし。

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