歳時記

「意志の強さ」とは何か

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 昨日、薬物をテーマに保護司の研修会があった。
 講師は、千葉ダルク・施設長の白川雄一郎氏だ。
 ダルクとは薬物依存者の社会復帰を手助けする民間の〝リハビリ施設〟で、全国に約50カ所ある。
 お話は具体的で、とても参考になったが、次の言葉にとても興味を引かれた。
「薬物を断てないのは、意志が弱いわけじゃない。意志を使う方向が間違っているだけ」
 覚醒剤がよくないと知っていても、やめようとしない。家族を失い、職を失っても、覚醒剤を使用し続けている。
 意志は強いのだ。
 ただ、その意志を発する方向が間違っているだけ。
 その方向を変えれば、クスリは断てる。
 薬物を例にしたお話だったが、これは人生すべてに言えることだろう。
 酒飲みは、二日酔いになろうが、金がなくなろうが、頑張って飲み続ける。
 煙草を吸う人は、肺がんの危険があろうが、喫煙場所が制限されようが、意志強固にして吸い続けている。
 ゴルフに行くときは、どんなに朝が早かろうが、嬉々として出かける。
 政治家は選挙で駆け回り、土下座までして一票をお願いする。
 みんな意志が「強い」のだ。
 ところが、いざ断酒しようとするとできない。
 禁煙もできない。
 志を立てても、三日坊主で終わる。
 そして、
(ああ、なんと自分は意志の弱い人間であることか)
 と嘆く。
 だが、本人は気がつくまいが、「意志が弱い」を〝言い訳〟にしているのだ。
 本当は意志は強いのだ。
 だた、その意志の強さを発揮する方向が違っているだけなのである。
 示唆に富んだ言葉だった。

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