歳時記

福田首相の〝泣き〟

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「誰と話をすればいいんですか」
「かわいそうなくらい苦労しているんですから」
 周知のごとく、福田首相が小沢一郎にイチャモンをつけた。
 党首討論で、首相がこのテの発言をするのは異例だそうだ。
 しかも、煮え切らない福田首相の言(げん)となれば、相当頭に来てのことだろう。
 それはいい。
 だが「言い方」が悪かった。
 イチャモンは〝ケンカの口火〟なのだ。
 それなのに、
「かわいそうなくらい苦労しているんですから」
 なんて言い方をしたのでは、イチャモンにならない。
 これはイチャモンではなく「泣きが入った」と言うのだ。
 そして、宿敵に「泣き」を入れた時点で勝負あり。
 いや、泣きを入れたと見られた時点で、負けなのである。
 ここなんですな。
 ケンカは「どっちが正しいか」でやるものではない。
 強い方が勝つのだ。
 いや、強いと見られるほうが勝つのだ。
 石原慎太郎都知事を見ればわかるではないか。
 古くは、ハマコー氏を見ればわかるてはないか。
 ここを知らない福田首相は、
(やっぱりアマちゃんだなァ)
 と私は感じた次第。
 良くも悪くも、人間社会は「声の大きい人間」が勝つ。
 残念だが、これが現実なのである。
 その現実を踏まえて、どう世渡りをしていくのか。
 これを処世術と言うのだ。

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