居間のテーブルの上に、保険会社からの支払い明細書が置いてあったので、
「なんじゃ、これ?」
愚妻に問うと、
「ちょっと、もう忘れたの」
怒っている。
そういえば、クルマのフロントガラスに傷が付いたためデーラーで取っ替えたのだ。
どうして傷がついたかわからないのだが、法事に行った帰途、走行していてピシッと音がしたような記憶がある。
ちょうどバックミラーで死角になり、運転席から見えない。
気づいたのは数日後。
「何よ、この傷?」
助手席に坐る愚妻の詰問にたじろいだ次第。
ハネ石となれば私には責任はないのだが、愚妻のご機嫌は斜めであった。
デーラーに持ち込み、フロントガラスを取っ替えることになったのだが、自腹なら費用が気になるのだろうが、保険を使うということなのでよくおぼえていなかった。
で、あらためて保険会社からの支払い明細書を見ると、なんと37万円。
ファミリーカーなのに、思わず唸った。
保険に入っていなければ大出費になるところだった。
「よかったな」
愚妻に言うと、
「なに言ってるの。保険を使えば来年から支払いが上がるのよ」
なおも怒っている。
「ハネ石なんだから、わしに責任はない」
「あるわよ」
「なぜだ」
「とにかく、悪いことはすべて、あなたに責任があるの」
ムチャクチャを言う。
愚妻の顔に、トランプ某の顔が重なるのだ。