歳時記

肩痛には〝逆療法〟

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 心の病にかかるサラリーマンが増えているそうだ。
 今日のニュースで報じていた。
「仕事のストレスが原因」
「企業のリストラが進み、雇用不安が広がった」
 と指摘している。
「ストレス」に「リストラ」なんて語呂合わせのようだが、両語をくっつけて、私は「ストリス」と呼んでいる。
 ちなみに私のような自由業にはリストラはないが、ストレスなら充分すぎるほどある。
 愚妻は、
「あなたなんか極楽トンボで、どこをどうすればストレスが溜まるのよ」
 と悪態をつくが、私の場合はストレスがないのではない。
 ストレスに押しつぶされ、突き抜けたというのが正しい。
 禍(わざわい)は転じて福になるのと同様、ストレスも転じれば、安穏気分になるということなのだ。
 つまり、どんな不幸な境遇やアクシデントも、逃げるのではなく、敢然と向かっていって突き抜けてしまえば、好結果に転じるということなのだ。
 だから私は何事も〝逆療法〟を試みる。
 左肩の痛みに対しては、庇(かば)うのではなく、肩をガンガン動かすのだ。
 そうすると、ますます痛くなる。
 この痛みを突き抜けさえすれば治るはずだ。
 そう思ってはいるが、なかなか突き抜けそうもない。
 そのうち右肩の痛みも強くなってきた。
 さらに今朝、朝風呂に浸かって歯を磨いていると、右手首に痛みが走った。
「おい!」
 愚妻を呼びつけ、その旨、申し伝えると、
「電動歯ブラシを使っていて、どうして手首が痛くなるのよ」
 一理あるが、視点を変えれば、電動歯ブラシでさえ痛むことが問題ではないか。
 意地にでも、私は〝逆療法〟を続けるのだ。

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