歳時記

柔道の福見友子選手に思う

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五輪柔道女子48キロ級で福見友子選手がメダルを逃した。
「一生、悔いが残る」
 という彼女のコメントを読んで、勝負の厳しさを改めて思った。
 勝負の厳しさとは、勝つことの厳しさを言うのではない。
 日本の頂点を極め、賞賛を一身に浴びていいはずの選手が、「人生に悔いを残す」という無念の言葉を吐く。
 ここに厳しさがあると私は思うのだ。
 谷亮子参議院が、福見選手について問われ、
「望まれるなら(リオ五輪に向けて)準備したい」
 とノーテンキな発言をした。
 さらに、福見選手と較べ、代表に漏れた浅見選手について、
「私は浅見選手が頭一つ抜きん出ていると思っていた。(浅見が出場していたら)きっちり照準を合わせていたかもしれない」
 とも言った。
 負けた選手を思いやることを「惻隠(そくいん)の情」という。
 日本の美風である。
 谷には、それが欠けているのだろう。
 あるいは、福見選手に2度敗れているという思いが尾を引いてるのだろうか。
 福見は、柔道界が代表に選んだ選手だ。
 誰より勝ちたかったのが本人だ。
 ねぎらいの言葉があってしかるべきだろう。
「競技の勝ち負けなんか、人生に悔いを残すほどのことじゃない」
 と、福見選手には言ってあげたい。

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