歳時記

屁理屈も立派な理屈

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コートを着る機会がない。

私用も法務も出かけるときはクルマなので、外気にふれるのは駐車場から建物に入るまでの間しかない。
地下駐車場であれば、外気に触れることがなく、コートは不要ということになる。

法務に出かけるときは、着物をコートに作り直したものを法衣の上に着用している。
冬場であれば長着を、その他のシーズンは薄物や二重の羽織を直している。

着用の理由は、法要開式までの時間調整のため、マクドナルドやファミレスに入るからだ。
黒い法衣で入ると、居合わせた客が何となく縁起が悪いような気がするのではないかという忖度である。
きちんとしたコートであれば店内で脱ぐべきものだが、和装の改造コートは薄いため、着たままで座っていられるのだ。

そんなわけで、和装コートは二着あるが、買ってから一度も着ていない。

「ちょっと、もったいないわねぇ。法務のときに着て行きなさいよ」
愚妻がイヤ味を言う。

で、過日。

「よし、今日の通夜は電車で行こう!」
電車であれば、道中、寒いから和装コートである。

法衣の上にコートを着て法衣カバンを持ってみる。
コートが重く感じられる。
カバンは当然重い。

「やめだ。クルマで行く」
「どうしてよ」
「コートを着たいがために電車に乗るというのは本末転倒ではないか。理屈に合わないことはできない」
「屁理屈ばっかり」

愚か者が何を言うか。
貧乏神も神様なら、屁理屈も立派な理屈なのだ。

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