「人生を高みより見おろしてみよ」
今朝、湯船につかって唐突に浮かんだ言葉である。
足下に目を落としたまま歩いていると、道が真っ直ぐか曲がっているかはわからない。
だから俯瞰することが大事だと思ったが、
「まてよ」
と、すぐに別の思いがよぎる。
足下の視線では道の曲折はわからないが、登っているか下っているか体感でわかる。
だが、高みから見おろしたのでは、曲折はわかっても、登っているか下っているかはわからない。
体感するには視線を散らさず、足下を見つめる必要がある。
つまり俯瞰も、足下に目を落とすことも大事ということになる。
あれこれ湯船で考えを反芻していると、
「ちょっと、大丈夫?」
愚妻が風呂場にやって来て言う。
風呂で倒れているかのかと懸念したようで、
「正月早々、私に面倒をかけないでよね」
この「現実的な一言」で我に返った次第。
さて、新年は大晦日の続きなのか、それとも不連続の新たな年の始まりなのか。
どうでもいいようなことが頭をよぎる元旦の湯船。
本年もよろしくお願い申し上げます。