歳時記

「怒る」を忘れず

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昨夕、久しぶりにウォーキングをした。

法務が連日のように続き、いささかバテ気味のため、ウォーキングどころではなかったが、疲れているからこそ歩くべきだと腰を上げた次第。

私の信条は、何事においても「逆療法」なのだ。

愚妻に言わせれば「アマノジャク」ということになるが、痛いから「痛い」、疲れたからゴロリというのは、犬や猫のやることなのだ。

「流れに棹ささず」
というのは私の生き方でもあるのだが、突如として、流れに棹さす自分が頭をもたげてきて、どっちが本当の自分か戸惑うのである。

そして、流れに棹さし始めると、俄然と強気になり、
「バカ者、乳ガンぐらいでガタガタ言うな」

つい口走ってしまった。

「ちょっと、失礼なこと言わないでよ!」

愚妻も俄然、強気になり、強気と強気がぶつかりあって、お互い、ますますファイトがわいてくるのだ。

強気になると何だってできる。
先程、私はついに自分一人で振り込みができた。

一人で手続きに行ったのはほかでもない。

先日、愚妻が指導のため同伴していたが、いちいち横から口をはさむのだ。
「そこの《確認》を押して」
「そこの《はい》を押して」

これでは指導にならないではないか。

「うるさい! 黙っとれ!」

怒鳴りつけてしまい、
「じゃ、次から自分一人で行きなさいよ」
愚妻がムクれてしまったという次第。

冷蔵庫からアイスクリームを取りだすのも、自分でやった。
紅茶も自分で入れる。
法務に出かけるとき、車に法衣カバンを積むのは愚妻の仕事だが、これも私がやるようになった。

愚妻の乳ガンのおかげで、私の生活態度が少しずつ変化してきて、これから自分がどう変わっていくか楽しみでもある。

愚妻にそう言って感謝すると、
「勝手なこと言ってなさいよ!」

乳ガンになっても、「怒る」は忘れないようである。

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