歳時記

「個」の時代

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ご葬儀からのご縁で、四十九日、一周忌、三回忌と法要をお勤めると、ずっと旧くからの知人のような気がしてくる。

三回忌以降になると、ご遺族も気持ちがいくぶんか整理もおつきになり、雑談も違和感なくできる。

昨日がそうだったが、ことにご自宅にお伺いしての内輪の法要は、お勤めのあとで茶菓子をご馳走になりながら人生論などいろんな話をするのは、私にとって興味深く、示唆に富んでいて、とても勉強になる。

ご葬儀だと、そうはいかない。
いまはコロナ禍で、通夜も葬儀も式場内に入るのは遺族・親族だけで、一般会葬者は別途焼香してもらうが、コロナ以前は会葬者が多く、人数によって読経の時間を考えなければならない。

葬儀は、火葬場の時間が決まっているので、出棺時間は厳守。
そこから逆算し、会葬者の人数を勘案しながら、繰り上げ初七日で焼香する所要時間や、花入れに必要な時間を決め、それに合わせて読経のスピートを調節する。

あわただしいのだ。

そういうことからすれば、三回忌以降、ご自宅での法要はゆっくりと話ができて、
(法事はこうあるべきだな)
と思うのである。

友人が「仮想寺院」をWebに立ち上げた。

広く不特定多数を相手にしているように見えて、実は極めてパーソナルな空間ではないかと思っている。

よくはわからないが、「個の時代」は、コミュニケーションも「個」になっていくような気がしている。
人間関係術も、コミュニケーション術も変わっていくことだろう。

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