歳時記

「立夏」のウォーキング

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本日、5月5日は「立夏」。
夏のはじまりである。
晴れていて、湿度も低く、過ごしやすいようなので、昼前にウォーキングに出かけた。

休日とあって、田圃沿いに歩くコースの周辺で、虫取りの網を持った親子連れが何組かいた。
布の椅子に座って足を伸ばし、日光浴をしている人もいる。

私は知らなかったが、市が立てた看板を読んでみると、次のように書いてある。

《この谷津は、佐倉市西部に残された自然豊かな谷津で、小川が流れ、谷津田と斜面林がセットとなった典型的な谷津の環境となっています(後略)》

「谷津」とは、丘陵地が長い時間をかけて侵食されて出来た谷状の湿地のことだ。

休日になると空き地にクルマがたくさん駐車しているので、前々から不思議に思っていたが、これで納得である。

だが、これも前々からだが、私が気になっている看板は「マムシに注意」である。

私はヘビが大嫌いなのだ。

初夏を迎え、田圃沿いを流れる小川沿いの土手は草が高く伸びはじめている。
だからここ一週間ほど前から土手は敬遠して、途中から田圃を横切り、舗装された小道を行く。

ところが、今日はどうだ。
田植えの軽トラと、田植え機が舗装の小道に停まっていて、何人もが作業に忙しくしているではないか。
ノンキに散歩していたのでは申し訳ない。

で、やむなく土手を行った。
ヘビが恐くて草むらに神経を研ぎ澄ます。
いつもなら可憐な草花を愛でるのだが、そんなものは目に入らない。

(なるほど、目は脳の指令に反応し、脳は目に反応するということか)

だから、他人には見えているものが自分には見えないこともあれば、その逆もあるということになる。
これは身体機能としての目だけでなく、「価値観の目」もしかりということか。

そんなことを考えていると、いきなり草むらが動く。
ヒヤリとして、思考がどこかにフッ飛んでいく。
草が風に揺れただけだった。

「幽霊の正体見たり、枯れ尾花」

唐突にこの言葉が浮かぶと同時に、

(その逆はないのか?)

という思いがよぎる。

すなわち、

「枯れ尾花の正体見たり、じつは幽霊」

ウォーキングをしていると、いろんなことを考えるのだ。

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