歳時記

北海道の網走にて

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 受刑者に面接するため、網走刑務所へ行ってきた。
 保護司の仕事の一環で、これを施設面接と言い、必要に応じて各地の刑務所へ出向く。
 網走へ行くのは初めてだが、羽田から女満別まで飛行機で2時間足らず。空港から市内まで30分ほどだ。ずいぶん遠いイメージがあったが、近いものだ。
 しかし、刑務所の高い塀の向こうは、あまりに〝遠い世界〟だった。
 刑務所から空港に向かう帰途、熟年夫婦とバスに乗り合わせた。
 奥さんが、ご主人の肩に頭を預けながら、ふたりして窓の一面に広がる雪景色を眺めている。
 幸せそうなひとコマだった。
 刑務所で面会を終えた受刑者の家族もまた、バスの車窓から、この同じ雪景色を目にしながら帰って行くのだろう。
(生きていくというのは、しんどいことだな)
 唐突に、そんな思いがよぎった。

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