歳時記

メモは財産。

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 私は「白か黒か」で生きてきた。
「やる」と決めたらトントコン、「やらない」と決めたらテコでも動かない。
「あなたは両極端だ」
 と愚妻はあきれるが、そういう処し方が男らしいと思ってきた。
 ところが最近、考えが変わってきた。
「白か黒か」と決めつける生き方は、独善的な価値観によって線引きされているため、楽な生き方なのだ。
 そうではなく、白でもない、黒でもない、「別の何か」という視点、価値観こそ大事なのではないか。
 そんなことを考えるようになったのである。
 キッカケは、釈迦の説いた「中道」である。
 中道とは「両極端にかたよらない」という意味だ。
 つまり、白にも黒にもかたよらないということだが、両者の中間をとって灰色ということではない。
 私流の言い方をすれば、
「白か黒かという二者択一を超越したもの」
 ということになる。
 西洋哲学で言うアウフヘーベンがそれに近いだろう。
 別のことにたとえると、「有」と「無」がそうだ。
 書は「余白」で見せると言うが、墨痕は「有」で余白は「無」。
 すなわち、墨痕と余白は対立概念ではなく、相乗することで芸術に昇華する。
 ならば、ヤクザとカタギの関係はどうだ?
 北朝鮮と米国の関係は?
 さらに、「中道」を人間関係術や交渉術で考えたらどうなるか。
 ヒマだからそんなことを考えているわけではない。
 あれやこれやと処理しなければならないことが山積しているときに限って、こんな考えが脳裡をよぎるのだ。
 だが、あとでゆっくり考えようと後回しにすると、ひょいと浮かんだ思いは雲散霧消する。
 だから忙しくても書き留める。
 妙想は突如、飛来して、瞬時に飛び去る。
 メモは財産なのだ。

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