今年は旅行をどうしようか迷っている。
年々、遠出が億劫になってくるのだ。
それでも去年は頑張ってラスベガスに出かけた。
喜んだのは愚妻だけで、夜を徹してスロットゲームをやっていたが、私はホテルのバスタブに浸かり、持参した本を読んでいる。
「何しに来たのよ」
愚妻があきれるのも当然だろう。
海外旅行は英語に難儀をする。
だから基本的に会話はしない。
レストランなどでペラペラペラとウェイターに語りかけられたら、私の返事は「イエス」か「オーケー」か「サンキュー」のどれかだ。
「ノー」
と返事をすると、
「ホワイ?」
になって、ホワイのあとには必ず理由を聞こうとしてペラペラペラペラが続くことになるが、問いかけに対して「イエス」であれば、
「ホワイ?」
という質問は基本的にあり得ない。
だから、ペラペペラをやられると、相手の表情をうかがいながら、余裕の表情をカマしつつ、「イエス」「オーケー」「サンキュー」を使い分けるというわけだ。
ラスベガスのホテルで、ウェイターがニッコリ笑顔でペラペラペラをやったときは、
「オー、サンキュー!」
笑顔を返すと、ウェイターは満足そうな顔をした(たぶん)。
「何て言ったの?」
愚妻が小声で聞いたので、
「うん、この席は庭の景色がよく見えていいだろうって、あいつは言ったんだ」
「ホント、いい景色ね」
私のでまかせに愚妻は納得したものだ。
最近は、そういうことも面倒になってきた。
さて、今年はどうしたものか。
旅行が億劫になる
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