歳時記

ステッキをついて歩く

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 昨日、ブラジルの邦字紙であるサンパウロ新聞の東京支局へ出かけた。
 同紙に「新人生訓」というエッセイを週一で連載しているので、その打ち合わせである。
 作務衣にステッキをついて行くと、
「ヒザでも痛めたんですか?」
 と、同紙の編集者が気づかってくれる。
「いや、違いますよ。伊達(ダテ)メガネというのがありますが、それと同じで、これは〝伊達ステッキ〟です」
「そうですか、アッハッハ」
 編集者は大口をあけて笑ったが、
(アホなやっちゃ)
 と、あきれていた。
 目は口ほどにものを言うのだ。
 で、いま。
 朝風呂に入ったら、右足の親指の付け根がズキズキ痛み始めた。
 痛風の発作が起こる前触れだ
 今日は午後1時から、九段のホテルで編集者と打ち合わせがある。
(ヤバイなァ)
 と思いつつ、昨日のステッキが脳裏をかすめる。
(なるほど、これが「転ばぬ先の杖」というやつか)
 感心しながらも、アホなシャレを言っている場合ではない。
 そそくさと風呂から上がると、痛風の薬を飲んだのである。
 

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