歳時記

我が〝予算〟を仕分けする

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 このところ、無駄遣いをしなくなった。
 自分で、自分の「事業仕分け」を始めたからだ。
 かの民主党の仕分けで、蓮舫さんの居丈高な態度がとても面白く、自問自答でマネているのだ。
「なんですか、この帯代5万円というのは?」
 もうひとりの私(蓮舫議員)が、そろりと質問してくる。
「エー、着物の帯であります」
 私が緊張しながら答える。
 すると〝蓮舫議員〟が、キッと眼を据えて、
「帯がないと着物は着られないんですか」
「必要欠くべからざるものです」
「では、おうかがいします。いまの着物は何で締めているんですか?」
「帯です」
「じゃ、帯は持っているじゃありませんか。予算は廃止!」
「そんな」
 かくして、私は帯を買わず、5万円が浮いたというわけである。
「なんですか、このフランス料理3万円というのは?」
「たまには、パッと豪勢にいこうかと思いまして」
「どうして豪勢にいくのですか?」
「人生の楽しみです」
「あなたはじゅうぶん人生を楽しんでいるじゃありませんか。予算は廃止!」
 かくして、私はフランス料理を食べず、3万円が浮いたというわけである。
 で、愚妻に自慢した。
「おい、聞け。わしはたった2回の事業仕分けで8万円を節約したぞ」
 すると愚妻はニッコリ笑顔で、
「よかったわ。民主党は浮いたお金を子供手当にまわしたんでしょ。あなたは何にまわしてくれるの?」
 事業仕分けは、本当に賢明なことなのだろうか。
 私の頭は混乱するばかりなのである。

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