歳時記

やっとこさ点滴が終了

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 術後の経過がよく、予定より早く20日の退院である(たぶん)。
 点滴も今夕で終わりである。
 病院食がマズイのではないかと気になっていたが、これがなかなかウマイのである。
 入院前、「毎食を運んでくれ」と愚妻に頼んだのだが、厳しく拒絶され、困ったものだと心配していたのだが、これは杞憂。
 病院のサービスもよくなったものだ。
 手術は14日の朝一。
 全身麻酔なので、痛くもかゆくもなく、気がついたら四時間ほどの手術は終わっていた。
 それはいいのだが、問題は麻酔が醒めてから。
 鼻と目の奥がズキズキ痛むのである。
 鎮痛剤アレルギーがあるので、別の系統の薬を使用してくれることになっているのだが、不安である。
 我慢に我慢を重ねた末、ギブアップ。
 座薬を入れてもらったが一度できかず、時間をおいて二度入れる。
「これで痛みが治まらなかったら、注射にしますから」
 最初から注射にすればよさそうなものだが、あまり使いたくない薬ではないか、と患者は勝手に邪推するのだ。
 それでも何とか痛みは小康状態となり、やれやれ。
 ついでなから、寝たきりなので、小便はチンポコに差し込んだ管。
 初めての経験で、これがすこぶる不快なのである。
 翌15日も、頭がズキズキで座薬。
 何とか小康状態。
 夜、管を抜きに若い看護婦さんが病室に来る。
 何の因果か、ジイさんのチンポコを見なければならない彼女が気の毒で、私は恥ずかしさよりも、申しわけなさで小さくなっていた。
「はい、スーッと息を吐いてください」
 ニコやかな声で看護婦さんが言って、私がハーッと息を吐くや、ピュッと瞬時に管を抜き去る。
「痛テテテ!」
 痛かった。
 管を抜いてからが難儀で、排尿のたびに「痛テテテ」。
 通常にもどったのは今日である。
 それにしても、「余命宣告されれば笑って甘受」と普段はエラそうなことを私は言っているが、チンポコの管一本で、この大騒ぎ。
 余命宣告が甘受できるのだろうか。
 いろいろ考えさせられることの多い手術であった。

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