歳時記

カラスの勝手

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 今日の昼間のことだ。
 クルマを運転していると、前方の道路脇の水溜まりにカラスがさっと舞い降り、水を飲み始めた。
「見ろ、あの機敏な動きを。同じ動物でも、うちの老犬マックとはエライ違いではないか」
 助手席の愚妻に言うと、
「あら、マックだって水を飲んでいるわよ」
 なんとマヌケたことを言う。
「バカ者、あの俊敏さは野生ならではのものだと言っておるのだ」
「じゃ、マックを野生にしろって言うの」
「怒るな。そういうことを言っているのではない。野生と、飼われている動物とでは、水一杯飲むのも違ってくるということを言っておるのだ」
「そんなの、カラスの勝手でしょ」
「昔、そんな言葉が流行ったな」
「あれはいつだったかしら」
「ええっと、確か・・・」
 会話は思わぬほうに転がり、私たち夫婦は和気藹々のうちに帰宅したのである。

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