歳時記

天に唾(つば)する

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「京都五山送り火連合会」(京都市)が、岩手県陸前高田市から、新たな薪(まき)500本を取り寄せ、送り火で燃やすそうな。
 周知のように、同連合会は、陸前高田市の震災被災者がメッセージを書いた薪333本を拒否。それに対して、地元の京都市長はじめ、全国から非難囂々(ごうごう)で、
(これはヤバイ)
 ということなったのだろう。
 いやらしい話ではないか。
 だが、今回の一件は考えさせられた。
 たとえば、風評被害を食い止めるため、米の産地県で放射線量のチェックが始まった。
「放射線量の検出なし」「安全」「どうぞ食べてください」という狙いだ。
 ところが、「京都五山送り火連合会」はどうだ。
「陸前高田市の薪は放射線量の検出なし」「安全」「どうぞ燃やしてください」とはならなかった。
 検査の結果が安全でも拒否するということは、
「検査は風評被害を食い止めることにはならない」
 ということを物語っている。
 ならば、諸外国が日本の食材を拒否するのは当然だし、観光客が激減して当たり前なのである。
 何しろ、日本において観光のメッカである京都が、放射線量ゼロであっても、
「やばいっスよ」
 と言っているのだ。
 天に唾(つば)する行為とは、こういうことを言うのだろう。

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