歳時記

われは悪(わろ)しと思う人なし

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 鳩山前首相が、菅総理を「無責任」と批判したそうな。
 政治家には「想定外」という発言は許されず、この言葉を使う菅総理は無責任というわけである。
 私も、そう思う。
 この発言は正しい。
 だけど、発言したのが鳩山サンとなれば、「なんだかなァ」の気分である。
 何度もこのブログで書くのは気が引けるのだが、鳩山サンは首相当時、沖縄普天間基地移設問題で、
「最低でも県外」
「私に腹案がある」
 と大見得を切りつづけ、最後の最後になって、
「実は腹案はありませんでした」
 ゴメンナサイとあやまった「歴史に残る無責任男」で、ノーテンキぶりに世論は轟々たる非難を浴びた御仁ではないか。
 その鳩山サンが、菅サンを「無責任」といって非難するのだから、これほど悪い冗談はあるまい。
 だが、その一方で私は、
「鳩山サンは、自分が無責任男とは本当に思っていないのだろうか」
「菅サンは、自分が無能とは本当に考えていないのだろうか」
 という素朴な疑問をいだく。
 そして、あれこれ推測しているうちに、蓮如上人の次の言葉を思い出した。
「われは悪(わろ)しと思う人なし」
 なるほど、そうなのだ。
 私が、愚妻からどんなに非難されようと、
「わしは正しい」
 と言い張るように、鳩山サンも菅サンも、
「わしは悪くない、わしは正しい」
 と思っているに違いない。
 そうでなければ、恥ずかしくて表を歩けないではないか。

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