歳時記

指導とは、何と難しいものであることか

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 空手の稽古は週4日。
 幼児から大人まで100名ほど在籍しているので、きめ細かい指導をしたいと思い、稽古日を週4日設定したのである。
 しかも夕方5時から9時まで1日3コマ。4時間の指導である。
 4日稽古で1日3コマだから、週に12コマ、16時間の指導をしていることになる。
 疲れますな。
 肉体的な疲れよりも、精神的な疲れだ。
 大人はともかく、子供たちで本気になって稽古しているのは少数で、多くは〝お楽しみ稽古〟であるからだ。
〝お楽しみ稽古〟であってもいいのだが、困るのは審査会と試合。
 昇段、昇級となれば稽古をしなければならない。
 しかし、稽古はしたくない。
 この二律背反する〝お楽しみ組〟を、どうやって稽古させるか。
 ここに精神的な疲れを覚えるのである。
 技量の未熟な子供を、お情けで進級させることはたやすい。
 しかし、茶帯や黒帯になって、試合で格下にコロリと負けると、試合に出るのをイヤがるようになる。
 試合がイヤになれば、次第に稽古が億劫になり、道場をやめていく。
 つまり、情けで昇進させると結局、ダメになっていくというわけだ。
 さりとて、進級はしたい、稽古はしたくない。
 将棋で言えば、〝王手飛車取り〟のようなもの。
 指導とは、かくも難しいものかと、稽古日のない日曜、月曜の〝連休〟に、あらためて考えるのである。
 
 

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