歳時記

雨降りで、畑がままならず

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 畑がシーズン・インしたが、晴れたり降ったりで天候が定まらない。
 仕事の予定と天候が合わず、なかなか畑に行けないでいる。
 一方、87歳の〝畑指南役〟である爺さんは、ヒマを持てあましているから、晴れたとみるや電動自転車に飛び乗り、颯爽と畑へ出かけていく。
 そこまでいいのだが、問題はそのあと。
 畑から帰ってくると、
「耕すのがきついのう」
 と愚妻にこぼすのである。
 で、こぼされた愚妻は、
「ちょっと、おじいちゃんが畑を耕すのがきついて言ってるわよ」
 と、帰宅した私にプレッシャーをかけてくる。
 おそらく〝指南役〟の計略(けいりゃく)だろうと察するが、私はそれを承知で、
「じゃ、週末に畑に行くか」
 ところが、週末になると雨がザーザー。
「ちょっと、雨の日を選んで畑の予定を立てているんじゃないの」
 愚妻が毒づく。
「イヤ味を言うものではない。古今東西、イヤ味を言って幸福になった人間など、ただの一人としていないのだ」
「それって、私に対するイヤ味?」
「そういう言い方を、世間ではイヤ味と言うのだ」
「そういう言い方をするあなたがイヤ味じゃないの?」
 すると〝指南役〟が自室から、もぞもぞと出できて、
「土曜日は晴れるようじゃのう」
 絶妙のタイミングは、さすがである。
「じゃ、土曜に行くか」
 私は思わず、そう返事をしていた。
 
 

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